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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第61章 彼の配慮





私達はその後全てのコーナーを見て回りツーショットも忘れずに撮った

やはり異世界の生物達は驚く様な生態ばかりで私を大いにはしゃがせて彼はそんな私を見詰めるものだから恥ずかしく成った


そして最後に大型のお土産屋さんに立ち寄った


「…………これ凄くないですか」


私が手にしていたのは50年に一度咲く光る花のレプリカだった
スイッチを押せばゆっくり点滅する其れはかなり精巧な造りで本物と見間違うレベルなのだが


「下らないガラクタじゃん。」


バッサリ切り捨てる彼には微塵も魅力が伝わらないらしい


……………まぁ使い道も無いし良いのだが…………


静かにレプリカを元の位置に戻す


ぬいぐるみのコーナーを見たりお菓子コーナーを見たり品物を物色するのは楽しい

ヘンテコな砂時計をひっくり返して眺めていると直ぐ隣からカップルの会話が飛び込んできた


「お揃い買おう~」

「そうだね、お揃いにしようね」


なんて楽しそうな会話に自然と聞き入っていた私はある事に気が付いた


私と彼は付き合っている


しかしながらお揃いの物なんて持ち合わせていなかった

隣のカップルをチラリと盗み見ると仲睦まじい姿が映り

少々…………いや、かなり羨ましいと思ってしまった

……………私だって彼とお揃いが欲しい………なんて随分幼稚な思考かもしれないが

彼に提案した時に快い返答は貰えない気がした

彼が私とお揃いなんて物を持ちたがる様には到底思えなかった


「………いつまで眺めてるつもり?それとも何か面白いの?」


考え込んでぼーっとしていた背後から声を掛けられて肩が跳ねる


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