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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第61章 彼の配慮






見渡せば大水槽の周りからは沢山の観覧客が此方を見ている


……………まるで私達がお食事みたいだ…………なんて恐怖してしまう

私の世界だとこんなデンジャラスな餌やりは実施出来ないだろうが…………流石異世界だ


そんな最中、ずっと私を支え立ってくれていた彼が肉へ手を伸ばした


「はい、あげてみなよ。」


「……………。」


彼は特段興味が無いのだろう

………………私だって全然外から見てるだけで良いのだが

手渡された肉の塊


ずっと持っているのも巨大魚に私ごと餌と断定されそうで怖い


隙間から決して手を出さぬ様に肉を投げた途端、目の前に馬鹿みたいに大きな口が広がりあっという間に餌は消えた


腰が抜けてへたり込む


失禁しそうな勢いだ


私達以外の二人組みをチラリと盗み見れば和やかに餌やりを楽しんでいた


(…………………ここの世界の人達怖すぎる…………クレイジー………)


それとも私が臆病すぎるのか……………?


次々に手渡される肉を投げながら私は懸命に恐怖と戦った

結局彼はひとつ餌を遣っただけで残りは私に譲ってくれるという小粋な優しさを見せてくれたが全然いらなかった



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