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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第61章 彼の配慮






抗う術も無いままに水槽に沈んだ鉄格子は水面の遥か下でピタリと止まった


鉄格子を囲む様に泳ぐ巨大魚に全身の鳥肌が立つ


人数の割に随分と大きな鉄格子だと思っていたら開かれた口の大きさに死を覚悟した

揺れる鉄格子によろめくがしっかりと支えてくれる彼にとにかくしがみ付く

巨大魚が口を開くと私のアパートの部屋くらい大きかった


インカム越しに彼の「大丈夫?」という声が聞こえるが私は答える事が出来なかった

鉄格子の中には一人飼育員さんが同乗しているのだが
飼育員さんは明るい声色で魚の説明をしている

ジャイアントウルフと呼ばれるこの魚は別名、世界最強の魚と呼ばれ

銃や刃物を通さない分厚い銀色の肌を持ち分類は哺乳類なのだそうだ

見た目はサメを大きくした様な見た目だが群れを成し狼の様に社会性を持っているらしい

見境無く何でも噛み砕く強靭な顎に対応した特殊合銀の鉄格子で無ければ簡単に食べてしまう………と続いた説明の後に飼育員さんは中央に置いてあった袋を開いた


途端に広がる赤い液体が何なのかは言う迄も無く

取り出された大きなブロック肉

飼育員さんは躊躇無く隙間から肉を投げた


途端に群がる巨大魚が激しく肉を取り合う様はジュラ○ックパークを彷彿とさせた

どういう原理なのか知らないが巨大な尾が激しく鉄格子に当たっても揺れは僅かな物なのだが


「さぁ皆様もどうぞ!手は決して鉄格子から出さないでください!」


なんて笑顔にゾッとした


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