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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第60章 異世界の魚達






その他にも沢山の草花が展示されており気分はあの日に戻ったみたいだ

あの日の私達に今の状況を伝えたならどんな顔をするだろう

彼は無表情かも知れないが私は腰を抜かすかもしれない

なんて妄想しながも


森林の中を歩み進めると巨大な水槽が見えて来た

そして水槽の中には覗き見ずとも圧倒的な存在感を放つ生物


………………全長15mはあるだろうか


アロワナを巨大化させた様な形状ながら真っ黒な鱗が気持ち悪く背筋がゾクリとする

しかし何故か胸が弾むこの感覚は…………



古代魚ピラルクーに似ている!!!!!


恐る恐る水槽に手を付いて見れば得も言えぬ恐怖心が沸き起こった



「………………イルミさんこの水槽で泳げますか」


「水が衛生的じゃ無いから嫌。」


「私は無理です!……でも泳いだら100万円貰えます」


「………依頼が来たら泳ぐけど意味不明だよね。」


「…………………100万円………っ無理かもしれませんっ!!!」


「…………。」


「だって大き過ぎます!!!!」


「………誰もそんな下らない事に金を出したりしないよ。」


「…………っ………でも100万円……あぁ………」


「……………本当、沙夜子って成長しないね。死ぬまで下らない事言ってそう。」


「私真剣ですよ」


「馬鹿じゃないの。」



本当に私は成長していない


水族館で交わした会話をそのまま再現したかの様に同じ会話を私達は繰り返した


あの日々から私の発想は微塵も変わっていないのだ

だけどそんな私の下らないもしも話に彼は付き合ってくれていて

彼もまた変わっていないのだと思えば幸せで仕方がなく今をしっかりと噛み締めた




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