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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第60章 異世界の魚達





先ず始めに見えてきたのは鮮やかな小魚が泳ぐ熱帯ゾーン

魚屋さんを見ても思った事なのだがたまに強烈な見た目の魚を見掛ける事もあったが殆どは食べて平気なのかと思う様な見た目では無かった事を思い出す


小さな水槽が続く中、沢山の熱帯魚が忙しなく泳ぐ姿を覗き見る

手を繋いでいる事で自然と同じ様に屈む羽目になっている彼だが

只無表情のまま腰を折り私にされるがままに水槽を覗き見ていた

お互いに腰を折り屈めば随分と近い距離

キラキラと水面に揺らぐ照明が作り物の様に整った顔立ちを浮かび上がらせて私はこの人と恋人なのだ、今デートをしているのだと思えば頬がカっと熱く成った


……………やはり彼に慣れるなんて私にはまだまだ無理な話しの様だ


そもそも慣れるなんて事があるのだろうか


外気を引き連れて帰宅する彼の姿に毎度胸は高鳴り
日常の中での些細な所作にも見惚れてしまう



(…………………いや、これは私悪く無いよ。イルミさんが素敵過ぎるだけや………)


なんて思いながらも



「沙夜子、見て。」


緩く手を引く彼を見上げた


今はデート中だ

デートに集中しよう

少しでも可愛いと思われたいと選んだシフォンスカートの裾が揺れる


「………ん?……何もいてないですよ……?」


「いるよ。良く見て。」


「……………ん?」


然程大きいとは言えない水槽を良く良く観察してみると銀色に光る小さな球体が漂っており頭が疑問符で一杯に成る

その球体が一体何なのか解らずに凝視してから身体中で鳥肌が総立ちした


「っ……………!!!!」


目玉が泳いでいるっ!!!!!




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