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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第57章 温かい時間







9月のある日


私達は並んでテレビを見ていた


何気無く流れていたのは大家族に密着したドキュメンタリー


私の世界にも類似した番組がある為に異世界でも同じ様な内容の番組があるのだな、と感心していたのだが


それよりも先程から熱心に画面に見入っている彼の横顔が気になった


決して裕福では無い家族だが両親とお婆ちゃん、10人の兄弟達の家庭は賑やかで楽し気な雰囲気だ


そんな家庭を映した映像に時折僅かに眉を反応させながらもじっと視線を外さない彼の姿に何故か落ち着かない気持ちに成った


温かな家庭と言うには特殊過ぎる彼の家庭環境


彼が今どのような心境で家族を見詰めているのかを想像すると胸が痛んだ


もしかしたら理解が出来ない、と思っているかもしれない

もしかしたら羨ましいという気持ちを抱いたかもしれない

もしかしたらやるせない憤りを感じたかもしれない

はたまた何も感じていないのかもしれない


どれもこれも私の勝手な想像でしか無く、彼の気持ちは解らないがどれにしたって酷く悲しいものだ



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