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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第56章 酔いどれのヒトコマ






9月14日



私は真っ昼間からアルコールに溺れていた


その理由は至極明確で昨夜帰宅すると私に告げた彼が真夜中に成ってから更なる仕事が入ったと連絡して来た事が原因だった


帰りは明日に成るらしい


中々帰宅しない彼の身を案じ、不安に苛まれていた時間を考えればずっと良いが

彼の身に成るのだと張り切った夕飯は随分と寂しいものだった

本当は昨晩酒を煽り盛大に飲み明かしたかったが生憎アルコールの買い置きも無く外出可能時間でも無かった為に諦めた


そして翌朝の今日、目覚めた時から私の行動は早かった


すっかり熟知した露店街を颯爽と歩き真っ直ぐ酒屋に向かい真っ直ぐ帰宅


白昼堂々酒を煽っているという訳である


彼が帰宅するというのは退屈な日々の中での一大イベントに違いなく

異世界に来ておいて退屈とはおかしな話だがホテルと露店街の往復の日々は代わり映え無く味気無いものだ

愛しい彼の帰宅が待ち遠しい




ベランダの窓を開け放ち、だらしなく床に座り込んだ私はクッションを抱いたまま空を見上げていた


「……………空が……青いぜ………」


部屋に吹き込む風は夏の熱を無くしカーテンを靡かせる

私は元の世界から持って来ていたスマホで久しぶりに音楽を再生した




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