第54章 私の見解 彼の分析

おずおずとスマホを差し出す

…………どうか、どうか受け入れて欲しい………！！！


チャイナ服姿を見せろと我が儘は言わない

その代わりにアオザイ姿を見せて欲しいっ！！！！


恐る恐る彼の顔色を伺えばくりっと首を傾げた彼と真っ直ぐに目が合った

てっきり怪訝な表情を向けられるとばかり思っていたのだが


……………思いの外好感触……か………？


なんて思ったのも束の間



「良いけどメンズ用だから沙夜子は着れないんじゃない。」


彼はまさかの天然さを発揮した

男性用と書いているのは読めば解る

大体着ているモデルさんも男性だし私が着たい訳じゃない


真っ直ぐ伝えないと彼には届かないらしい



「…………イルミさんに着ていただきたくて…………」


スマホをじっと眺めていた彼は私の声に呆れた表情を浮かべた

漸く話しの主旨が伝わったらしい


………ここからが本番である………


如何にして彼にアオザイを着て頂くか…………私の用意した作戦は一択だ


ひたすらに拝み倒す…………！！




「………………どうして」



一通り画像を見たらしい彼は私にスマホを手渡しながら溜息を付いた


また下らない事を～なんて考えていそうな表情だが私にとっては全く下らない事等無い


アオザイを着た彼を拝めた暁には私は今世に悔い無く生きて行ける気さえする



「絶対似合うじゃないですか！！！！！！見てみたいんです！！！！！お願いします！！！！」


「嫌。」



即答である