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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第53章 早口のヒトコマ






「買った肩叩き高かった、買った肩叩き高かった、買った肩叩き高かった………はい。」


「おー!!ほんまに凄いです!!!」


無表情で淡々と言って退けた彼は「此れで満足?」とでも言いた気に頬杖を付いて細めた眼差しを私に向けるが

嬉々として拍手を送っている私が簡単に彼を解放する筈が無い


折角彼が私に構ってくれているのだ

二人で遊びたいと私は思う

大体二人で遊べるなら別に早口言葉じゃ無くても良いのだが
今手軽に出来る遊びだったのでテレビから流れるお題をそのまま使う


先程迄の早口言葉はどうやら初級編だったらしく

私は初級編でもぼろぼろだったのでこれ以上は無理だろうと悟った

まぁ挑戦はする訳だが

後はまだ噛んでいない彼が何処まで持ち堪えるのかだ………




"くたくたシャツ100着"を彼は難なくクリア




次のお題"今日の奏者は 書写じゃぞ 書写じゃぞ"


私はお水をゴクゴク飲み干した後に先行して挑戦する


「今日の奏者はそしゃじゃじょ!………………………。」


絶望的な滑舌だ。

……………時に人は引き際を見極めるのも肝心だと思う

私は静かに口を閉じて隣の彼に視線を向けた



「…………今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ、今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ、今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ」


まるで表情も変えずに言い切った彼だが"じゃぞ"なんて不釣り合いな言葉の響き

普段の彼からは絶対的に発され無い言葉は私を簡単にニヤけさせたのだが


「何笑ってるの。」


私の頬を摘まむ彼の指の力に眉を潜めた


「………痛いれす………」


「自分は言えない癖に笑うだなんてね、もう一度言ってごらんよ。」


なんて言いながら頬を放した彼に痛む部分を擦りながらも従う


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