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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第52章 雄大な自然







その際に発された断末魔は男性が悲鳴を上げている様で
鬼気迫る表情に血走った瞳………人間に類似しているからこそ恐ろしかった



途端に森へ散って行く猿はやはり笑っていた



…………………ゾッとする……………


先程の猿は確か私と同じ背丈だった筈だ


それを軽々掴む程大きな生き物にも

最後に見せた悲壮な表情にも私は心底恐怖していた


………………このままでは私は森や山にトラウマが出来てしまうのでは無いだろうか…………


…………いや、もう出来ている……………


私なんて簡単に死んでしまう…………



「あれはメガプテラ鳥と言って」なんて呑気に解説する彼の言葉等今の私には全く届いていなかった



オバケ騒動で私が泣き出そうが存分にからかった彼に怒りすら湧かない


……………そんな元気が無い……………


形ばかりだが彼の言葉に相槌を打ち終えると私はいそいそとテント内に入った


………………全ては悪夢だったのだ


眠ってしまおう……………


恐怖する出来事を幾度と無く体験した今日私は過度の心労から確実に老け込んでいるだろう

身体の筋肉という筋肉が強張って疲労も相当なものだった



「イルミさんはまだ寝ませんか……?私凄い眠いです……」



私の言葉に追ってテントに入って来た彼はすんなり隣へ寝転んだ


「眠ろうか、まだ来そうも無いし。」


「おやすみなさい」


「おやすみ。」



彼の言葉で目的の動物が猿では無かった事を知れた安堵からか私は直ぐに夢へ落ちた




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