ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第52章 雄大な自然
……………これはホラー映画の例のパターンだ……!!!!!!!
……………私だけがターゲット………!!!!!!!
眠っていたのか何なのか実は霊感が有って狙われている例のパターンだ………………!!!!!!!
……………もしも、もしも私に霊感があるのならその全てを解き放ちたいっ………!!!!!
溢れ出す涙をそのままにお経らしき言葉を叫び天に手を合わせる
しかし私がそうすればする程笑い声は大きく大勢の物に変化した
……………私はこのままオバケに呪い殺されて笑いの集団に仲間入りするのだ…………
……………こんな虫だらけの森で何が面白いとも解らずに笑い続けるのだ………………
…………怖い……………怖すぎる………………
「う"ぅ…………怖い……………笑いオバケなりたくな、い"…………」
私は遂にお経擬きも諦めて只彼の胸に倒れ込み泣き出していた
………家族もきっと悲しむだろう………
娘が何に殺されたかを知り、その末路が馬鹿みたいに笑っているオバケだなんて……………
「………………ふふっ」
「…………何がおかしいんですか………何っ……が………ぅぅっ………」
「からかい過ぎたね、ごめん。」
「………からかい………?」
「笑い声ちゃんと聞こえてたよ、ちなみに正体も知ってる。木の上を見てごらん。」
私をやんわり座らせて背中を擦った彼は隣に座り直すと懐中電灯で木の上を照らした
そこに映し出された光景はあまりにも衝撃的で私は声も出なかった
正確には失神しかかっていて軽く気が遠退いていたのだ
木の上にいたのは全身黒い毛に覆われた私程の背丈のある生物
堂々と二本の脚で枝に立っている生物の顔はどう見ても人間だった
オバケに怯えていた先程とは違う根元的な恐怖が怒涛の様に襲う
「……な………なにあれ………」
震えた声を絞り出す私に
「パドキアモンキー。通称笑い猿、死肉を好んで食べるからわざと臓物を置いていたんだけど、確か沙夜子は日本猿が可愛いとか言ってたし猿好きだったよね」
彼はここぞとばかりに饒舌に語り始めた