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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第52章 雄大な自然






「イルミさんッ!!!!!」


テントの縁に座ってぼんやり空を見上げる彼を視界に入れた途端私は可憐なるダイブを決めていた


彼が存在する安心感


彼の逞しい胸板に思い切り顔面を強打したが今はそれ所では無い


「オバケ!!!オバケ!!!」


無防備だった彼は私の勢いに押されて倒れ込んでしまったが今はそれ所でも無い


「オバケが何。」


特段驚いた様子も無く組み敷かれたままの彼は悠長に乱れた髪を整えているがそれ所でも無い!!!



「イルミさんオバケと戦えますか!!!」



困った時の彼頼み………!!!!


「落ち着いて、どうしたの。」


「………笑い声!いっぱい笑い声が聞こえて…………!!!」


「笑い声……」


「いっぱいです!いっぱいおるんです!!!」


必死に彼の肩を鷲掴んで恐怖を訴える私だが彼は落ち着き払った態度を崩さないまま


「霊体に物質的な攻撃って有効なのかな、針が効くとは思えないけど。」


冷静過ぎる言葉を吐いた



………………もっとも過ぎるッ!!!!!


オバケに彼の針攻撃が有効な様には思えなかった




「ど、どうしよう……!塩!!!」


「無いね。」


「清い水?!」


「無い。」


「ニンニク………?!」


「ニンニク?」


「なにっ?!?!?!?!」


「さぁ。」


「…………お経!!!」


「……………。」


酷く取り乱しながらもありとあらゆるホラー映画知識を引っ張り出して私は彼に跨がったまま意味不明な祈りを捧げ始めていた




…………何でも良い…………何でも良いから助けて欲しい…………!!!!!


『あははははははははははは』



「っ…………!!!!ほらほらほらっ…………!!!!」


「え?」


「え?!?!?!?!」


「何。」


「笑い声!!!した!!!」


『あははははははははははは』


「ほらっ!!!!!」


「…………?」


「っ…………!!!!」



先程より確実に近い距離で聞こえた笑い声

しかしどういう訳か彼には聞こえていない様子で更なる恐怖が私を駆り立てた



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