ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第52章 雄大な自然
人間本当に恐ろしいと動けなくなるらしい
後はパンツを履くだけなのにお尻を丸出しにした状態のまま私はじっと気配に気を向けていた
こんな何もない森の中で私達意外に人がいるのだろうか…………
キャンプ仲間…………?
…………いや………ここに到着する迄に人がいた痕跡すら無かった筈だ
常人には踏み入る事も困難な深い茂みに阻まれたこんな場所でキャンプをしようだなんて奇特な人間が彼以外に存在するだろうか
……………それにこれだけ近い距離ならばお互いのキャンプファイヤーが見えてもおかしくない…………
(…………………近い………………………?)
私は悠々とパンツを引き上げながらも異様な今の状況に只耳を澄ませていた
『あははははははははははは』
『あははははははははははは』
『あはあははははははははははは』
「っ…………!!!!」
笑い声は一人分では無かった
甲高い女性の声に男性の声、複数人の笑い声に血の気が引いて行く
背中を向けていては危険だと本能が感知したのか勢い良く振り返ったその先には真っ暗な森が広がっているだけで人影のひとつも無かった
ゾッと全身の毛が逆立つ様な恐怖が込み上げて震え出す手足
まさか………そんな筈は無い………
何処かに人がいる筈だ
暗闇に目を凝らして辺りを懸命に見渡す
生きた人間もそれはそれで怖いがどうか陽気なキャンプ好きのパーティーピーポーであってくれと願ってやまない
圧倒的な恐怖に直面した私は自身が安堵したい一心で視線を走らせていた
『あははははははははははは』
直ぐ近くから聞こえるのに姿形は見当たらずまるで闇が笑い声を上げているかの様な現象…………
…………………間違い無い………オバケだ………!!!!!!!!!!!!!!!
瞬間私はこれ以上は無いくらいの脚力を発揮して彼の元へ跳び帰っていた
あの場から真相を確かめ様と森へ入れば一番に殺られるのは私だとホラー映画のパターンで知っている