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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第52章 雄大な自然



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彼が持って来た夕飯は獣だった


何かと聞かれても私には解らない


豚に見えない事も無い風貌だが食欲を削ぎ落とす様な青色の斑点が身体を覆っていて実にグロテスクだ

本当に食べられるのか……?!


なんてガン見していた私だが


何の前触れ無く切り開かれた腹部に咄嗟に視線を逸らした


グチャグチャと血生臭い音が鳴り響く中、私はまんじりともせず下準備の全てを彼に託した



「丸焼きにしよう。」



すっかり皮を剥がされ臓器の無くなった獣を太い枝にぶっ刺した彼はご満悦に言うとあっという間に火を起こして炙り始めた


手際の良さも流石だが無駄な出血痕無く綺麗に血抜きされているのを見て彼の野性味に最早感心してしまう

普段の上品な彼も彼ならばサバイバー顔負けの今の姿だって彼なのだ


パチパチと小枝が燃える音


薄ぼんやり暗くなった辺りを炎だけが照らす


視界の端に見えていた生々しい臓物も暗がりでは気にならなくなっていた


「キャンプファイヤーですね!」


「キャンプファイヤー?」


「キャンプで火を囲む事……やと思います!」


「ふーん。」


「歌もあるんですよ!」


「あ、俺も知ってる。」


「ほんまですか!歌ってみてください!」


「燃えろー燃やせー全て灰にしろー燃「個性的な歌ですね!」


「そうかな。」


彼の知ってるキャンプファイヤーの歌は私の知ってる物とは随分違っていて

抑揚無く歌い上げられてはホラーテイストで怖かった



焼き上がった獣は見た目とは裏腹に美味しくてガツガツ食べる私に彼は満足気な表情を浮かべていた





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