ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第52章 雄大な自然
いつ用意したのか不明だが真新しいテントやランタンは彼が買い揃えた物だろうし
テントを購入する背中を想像すれば可愛い事この上無い…………
更にはワクワクと胸弾ませながらジープを草むらに隠す彼…………
「ん"ん"っ…………!!!!可愛い~~~!!!可愛いよイルミン!!!」
初キャンプにしては随分本格的でサバイバル要素が強い様に思うが彼の斜め上の発想が成せる技だ
ゾルディックという由緒正しき家柄の御曹司が初キャンプにワクワクしている…………そう思うだけで私はこの森に来た価値を見出だせた
別に目的の動物が見られなくても彼が楽しいなら私だって楽しいじゃないか!!!
途端にだらしなく緩む頬
………私はなんて健気なのだろう……!!なんて少し自惚れてみる
テント内で静かに待つように言われてから一体どれだけ経ったのか、要するに暇なのだ
大嫌いな虫の巣窟に突然連れられて来て、私が出した結論は彼が楽しいなら私も楽しいだなんて滅茶苦茶良い奴では無いか……!?
たまには彼に健気で可愛い!くらい言って貰いたいものだとひとり頷く
妄想をそのまま話すと多分冷めた眼差しを向けられるのがオチなので
脳内イルミさんに『可愛いよマイハニー(エコー)』と言って貰った
「まるで忠犬ハチ公だよハニー……!!!ベリベリキュート!!ベリベリベリベリプリティー………………………………ッ!!!!!」
「………………。」
だらしなく寝転がり何の気なしに発していた大きな独り言
彼はテントの入り口から冷めた瞳を静かに向けていた