• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第52章 雄大な自然






巨大コオロギとの死闘で(私は何もしていないが)精神的なダメージを負った私だが衰弱してもいられなかった


彼が草を伐採してくれる事でスムーズに進める道だが足元は決して良いとは言えず

普段引きこもりをしている私には足腰に来る物があった


更には次々襲い来る刺客達は私をパニックに陥らせて確実に体力を削らせる



「………………やめて………私のHPはもう0やから………」


悲痛に漏らした声に隣の彼は何故か興味を示した



「なにそれ。」


「ヒットポイント……攻撃を耐えられる上限……私には残って無い………」


「攻撃?……誰から受けてるの?殺してあげるよ」


「虫」


「……虫。」


真顔で呟いた後に押し黙った彼の様子から私の言いたい事を理解してくれたのだろう

これ迄も飛んで来る虫を迅速に払い除けてくれていた彼だが先程より素早い対応で私から虫を遠ざけてくれる様に成った


彼は本当に素敵なナイトだ



………しかしスピードがアップした事により虫が受ける威力も上がったのだろう



「ヒィッ!!!!!」




時折グチャリと嫌な音が聞こえては体液が飛び散る光景に私は相変わらず悲鳴を上げ続けた



…………………この地獄の様な体験は何時まで続くのか…………


私の体力が限界に差し迫った頃



「到着。少しさがっていて」


彼は今まで歩いていた場所と何等変わり無い場所で唐突にそう告げた


途端に辺りの草を綺麗に切り倒し、大きな石を除けた彼はてきぱきとテントを建てた



………………やはりそうだった


彼が担いでいた袋はテントだった


迷彩柄のテントは私達が長時間この場に滞在する事を表しており私は何の感情か解らないまま笑っていた


そんな私の様子をチラリと確認してふぅっと息を吐き、表情を緩めた彼


………………違う……………そうじゃない……………


柔らかで穏やかな表情を浮かべる場面は今では無い…………




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp