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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第51章 動物園へ行き…………ましょう……?






ギャアギャアと何の声か解らない鳴き声、風に揺れて木々がざわめく


お弁当を片手に持った私は空いた片方の腕でぎゅっと彼の腕に抱き着いていた


私の歩幅に合わせて草を伐採しながら進む彼だが

彼が草を切り倒す度にカラフルで気持ちが悪い虫が羽ばたくものだから私は叫び声を上げ続けている



……………デカイ!!!デカスギル………!!!!!


カナブンみたいな虫も不気味な柄の蛾も気持ちが悪い羽音すらもデカイ

カナブンみたいな虫なんて拳台の大きさだし

恐ろしいが故に動向を探ろうと凝視しては鳥肌が総立ちである



恐怖体験も良い所だ………

彼は私が虫の類いが嫌いな事を知っている筈なのに………

こんな身の毛もよだつ体験をしてまで私に見せたい動物とは一体何だ

逆に気になる


その前に……………あんな大きな虫が脚に止まりでもしたなら瞬間ショック死だ







なんて考えていたそんな時だった



大きな羽音が私達に近付く不愉快な気配に私は咄嗟に肩をビク付かせて首筋を激しく痛めた



……しかし今それどころでは無い……ッ


敵の気配に只集中する


接触してしまっては色々おしまいなのだ


無い観察力をフル稼働させて注意深く辺りを見渡せば遠く木々の隙間から羽ばたく巨大な虫を見付けた


普段なら絶対に見えない距離だろうが命の危機に瀕すると人は未知の力を発揮するらしい


なんて事は今どうでも良い


私達目掛けて飛んでいたのは真っ黒と茶色の身体を持った大きなコオロギだった


ビジュアルの強さは圧巻で瞬時に私の身体は敗けを悟っていた



「イーーーーーーッ!!!………ッイルイルイルミ!!!!!さ!!!!」



彼に追い縋りながら只名を叫ぶ私はパニックを体現するが如くその場でジタバタと暴れ回る事しか出来ない


距離にして約5m


数秒あれば私とヤツは接触してしまう




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