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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第51章 動物園へ行き…………ましょう……?








窓にぶつかる昆虫の音


獣道を強引に押し広げてガタガタ揺れるジープの中で私は無心を貫いていた


というよりも驚きを通り過ぎたと言った方が正しい


鬱蒼と広がる森の中、車体に背丈の高い草が傷を付ける


隣には気だるげに片腕でハンドルを握る彼


遠の昔に転がってしまったお弁当箱は後部座席から落下してしまっているが気に掛ける余裕すら無く

口を開けば舌を噛み切ってしまいそうで唇を硬く閉じながらアシストグリップをぎゅっと握る


獣道を走り始めて一体どれだけの時間が過ぎたのだろう……


…………そもそも私は何故こんな事に成っているのだろう………



_________"



遡る事2時間前



「動物を見に行こう。」


二人並んでテレビを見ていたら彼は突然単調な声を上げた

テレビから流れるのはバラエティー

動物と全く繋がりの無い番組を見ていて何がきっかけだったのかイマイチ解らないが魅惑的なお誘いに違いなく


「はい!!」


私は二つ返事でソファーから立ち上がり、そこからの行動は実に迅速だった


普段だらだらゴロゴロと怠け者のど真ん中を素で行く私だが
彼が関係する事柄には素早く反応出来る


やはり私は欲望に素直なタイプだ



「動き易い格好でね。」



なんて珍しく服装を指定した彼に笑顔で返事を返しながらもグレーのタンクトップに真っ白のシャツを羽織って前で結びワイドデニムを合わせたシンプルな服装をチョイスした

髪も全てアップにしたポニーテール


動物を見に行くという事は動物園だ!!

カップルらしいデートを企んでいた私にとって胸弾むお誘いだった


鏡に映った自身の姿は解りやすく口角が上がり結い上げた髪が嬉しそうに揺れた





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