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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第50章 話し合う






「俺は信用ならない?俺には話せなくてどうしてヒソカには話せるの?」


逸らされた目線が再び合わさると彼は故意に消していた筈の気配を露にした

きっと独占欲と不安が複雑に絡んで処理し切られ無かった

結果、全面に現れているのは怒りの感情なのでは無いだろうか

しかし以前の様に激しい怒りをぶつけるでも無く彼は静かに噛み殺していた


以前彼は喧嘩を初めてした、と言った


彼は聡明で優しい人だ


必死に怒りを抑えて冷静に話そうと努めてくれた結果、家具は無惨に跡形も無くなってしまったが不器用ながら話し合おうと気遣ってくれたんじゃないだろうかと思った


それが矛盾した言動の理由では無いのかと





「あの、私……イルミさんに話すには恥ずかしいというかそういう悩みはやっぱり話し辛いんですけど……でも聞いて欲しい相談があります」


彼は静かにコーヒーに口を付けるとふぅっと息を吐きながら長く艶やかな髪をかき上げたそこからは先を促す視線



「………やっぱり私達には期限が付きまとうじゃないですか……約一年……」


「…………。」


「こんなに大好きやのにまた離れる事を考えたら………「解りきった事じゃん。」


被せられた言葉に彼を見詰めれば彼は先程迄と違い、普段と変わらぬ余裕な雰囲気を漂わせていた


確かに解りきった事だ


彼の言葉に間違いは無い


しかし確実な別れが付いて回る


その事実をあっさりと受け入れている彼は私の様に別れを前に怯える事は無いのだろうか


あの悲しみも孤独の日々も平気だというのか………


ずきずきと痛む胸




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