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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第49章 あからさま






もっとしっかり考えたならテリトリーに他人を入れる事を嫌う彼がヒソカさんの訪問を快く思う筈が無いと気が付けた筈なのに

私の浅はかな判断は彼を苛立たせてしまった


大体ヒソカさんとの友好関係すら渋々承諾した彼なのだ

嫉妬深く独占的な所を知っているのだからもっと配慮すべきだった


滅茶苦茶に成った家具を見下ろして無表情に佇む彼に謝罪しようと口を開いたのだが


「……イルミさ「今日の夕飯何?」


淡々とした声色で此方に歩み寄る彼の言葉に押し黙った


不機嫌を隠さない行動を見せておきながら台詞は普段と何等変わり無いなんて矛盾した彼の言動に困惑してしまう


「…………パドキア牛肉の煮込みとレンズ豆のスープとパブジャキですけど…………」


動揺を隠す余裕も無く小さく紡いだ言葉に


「へー。全部パドキアの郷土料理だね。」


なんて通常運転の彼に謝罪のタイミングを失ってしまった


キッチン迄やって来た彼だが何時も以上に気配が無く本当に其所に存在しているのかとすら思ってしまう

先程から違和感ありまくりな彼だが必要以上に抑えられた気配の理由が解らずに只視線を合わせれば真っ直ぐに目が合った



「………ご飯まだ?」


「……………あ、今作ります!」


彼は不機嫌の理由を私に話す気は無いらしい

其れならば先程のあからさまな行動だって隠してくれれば良いのに……なんて思う


見てしまった以上気になるのに本人から話す気配は無いなんて大体の検討は付いていても気になって仕方がない


再びジュージューと音を経て始めたフライパンを振るいながらも私の頭は彼の事で一杯に成っていた


………………私は一体どうするべきなのだろう……






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