ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第49章 あからさま
そんな私を見据えてクツクツ笑ったヒソカさんは言葉を続けた
「甘えるより恥ずかしいでしょ?其れを乗り越えられたら何でも出来る気がしない?♦️」
…………自分から誘うなんて甘えるよりも何億倍も恥ずかしい
其れが出来たら甘える事は簡単かもしれないが甘えるよりもハードな挑戦に挑むなんて荒療治にも程がある
「………他の方法はありませんかね……」
アドバイスを頂いておいて何だが想像だけでも私には出来る気がしなかった
おずおずと言った私にヒソカさんは視線を合わせると
「じゃあ、ボクで練習してみる?♥️」
酷く妖艶な笑顔を向けた
「…………え………」
一方私からは間抜けな声が漏れて再び硬まる
……………ヒソカさんと練習……?
そんな馬鹿な事をする筈がない
相手が大好きな彼だから羞恥を煽られるのであってヒソカさんには妙な緊張と照れがある
それ以前に恋人でも無い異性に甘えるとは何の意味を成すのか全く謎過ぎる………なんて困惑していると
「まぁ其れは冗談だケド………♦️甘えるには場数を踏むしか無いね……例えば一週間に一回自分から甘えようって期間を設けてその間に一回でも甘えられればクリア……とか♥️」
私の表情から汲み取ってくれたのかまともなアドバイスを貰った
…………ヒソカさんの冗談は解り辛い…………
本気で困惑した自分が馬鹿みたいだが
「それならその内慣れるだろうし沙夜子にもきっと出来るよ♥️」
「ありがとうございます!」
笑顔を向け合う私達は以前よりずっと仲良しに成っていた