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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第48章 良き友人






温め直したピザを頬張りながらテーブルに残されたコーヒーカップを眺める


私の世界では私に気を遣って朝食を食べてくれていたのかとも思うが彼の性格を考えるとそうも思えない

彼が無配慮とかでは無く、彼の合理的な性格を考慮するなら必要無い物は必要無いとはっきり口にするだろう

今とあの時との違いと言えば世界と言ってしまえばおしまいだが彼の仕事が大きく異なる


もしかしたら暗殺をする前は何も食べないと決めている、もしくは食べない方が何か効率が良いのかもしれない


テレビも付けずにぼんやり彼を分析していた私だったが今夜彼が帰って来るという置き手紙の文字を思い出す


"夕飯よろしく"なんて私の手料理を楽しみにしている様な文に自然と頬が緩んだ

仕事に出てしまえば2、3日戻って来ない事が更な彼が今夜帰って来るという事実に私は俄然腕に頼を掛けた料理を振る舞う事を決意した


そうと決まれば先ずは買い出し!


私はテキパキと身支度を整えて彼へ外出報告のメールを送り部屋を後にした



________"



やはり料理を覚えるには実践するのが一番手っ取り早い

料理は元々していたが此方の世界にやって来て多少個性の違う食材や調味料を扱う事に私は未だ慣れずにいた


ヨークシンで自炊していなかった事も大きいが料理本を読めば経験でカバーは出来る

あとは元の世界での食材と調味料の僅かな違いを如何に迅速に把握出来るかで手料理の出来栄えは随分違って来るだろう


野菜がズラリと並ぶ八百屋さんにて吟味する

八百屋さんと言っても露店商の其所はブルーとホワイトストライプのテントが揺れるレトロな木箱が並んだ可愛い店だ

露店商の八百屋さんの中で比較的何でも安く新鮮だと最近発見してから行き着けに成っている


………じゃがいもに似た見た目だが甘くて実はサツマイモに似ていたり

大きなキュウリに見えるのに苦味が強かったりと難しい


従ってまだ直感的に買い込みをして即席で作れる程に達していない為に買い物にも随分と時間が掛かる


「すみません!これってどんな野菜ですか…?」


こういう時は直接店員さんに聞くのが一番だ



「これは葉っぱも根っ子も柔らかくて煮ても焼いても美味しいよ」


ニッコリ笑うおばさんとは最早顔見知りで今日はコレがオススメだなんて安く売ってくれる



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