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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第47章 親方と私達







その後私達は親方を懸命に捜索し空がすっかり暗く成った頃、最終的に彼が持ち上げた冷蔵庫の裏で呑気に眠る親方を無事発見した


冷蔵庫の陰から現れた小さな親方を視界に入れた時、安堵から全身の力が抜けて

手のひらに拾い上げてから私は動けなく成った

小さな家族が戻って来た安心は涙となり親方の身体を濡らす

彼はその間随分と冷蔵庫を持ったまま待ってくれていて私がその事に気付き漸く場所を開けた後

私の流した涙でびしょびしょに成った親方を無表情な彼が私の手から掬い上げてケージに戻した


…………本当に無事で良かった


カラカラと回る回し車の音を聞きながらソファーに二人腰掛けた頃には心身共にぐったりと疲労していて


「…………すみません、ありがとうございました」


「別に。」


なんて事も無さ気に言った彼だが私と同じ様に床に這いつくばる姿を思い出す

其れだけ懸命に捜索してくれたので口が裂けても言えないが彼のその姿は恐ろしく似合わなかった


最初は親方に意地悪ばかりしていた彼の中に何時から愛情が芽生えたのだろうか


無表情で何を考えているか解らない彼の心中は私も気付かない内に徐々に変化している様だ



ふぅっと息を吐いた彼を見遣れば視線が合って


「お腹空いた。」


彼の言葉に私の腹の虫が鳴った



「……………。」


「………ご飯作ります」


「デリバリーで良いよ、今日は。」







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