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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第47章 親方と私達






「………親方がケージにいません……」



「えっ……」



瞬間素早く私を隣にずらして思い切りソファーを振り返った彼はポツリと「本当だ。」と呟いた


私達の視線の先、陽当たりや室温を考慮して彼が床に直接置いたケージの扉は全開に開いていて中に親方の姿は無かった


駆け寄り中のおが屑を避けてみたり小さな木箱のベッドを確認するが発見する事は出来なかった



「……いません………いません!!」


「落ち着いて、部屋からは出ていない筈だ………………多分」



「多分?!?!」



立ち尽くす彼の視線を辿ればベランダが換気の為に少し開いた状態のままに成っていた

思考は瞬く間に絶望に染まって行く


…………小さな親方がもし5階のこの部屋から落ちたなら…………

室内でも十分命の危機がある中でもしも部屋から出たなら………


広い間隔の鉄柵に隙間から落下する親方を想像して泣き出してしまいそうに成る


親方は私の大切な家族


異世界への不安な旅を二人で乗り越え孤独な夜を紛らわせてくれたかけがえのない存在………

親方が元気に回し車を回す姿を私は何もせず只眺めている事も珍しく無かった

愛らしい姿に私がどれだけ助けられて来ただろう…………




呆然と立ち尽くす私の視界に彼の背中が映り込む


「確認してくる。」


なんて言った彼に私もベランダを探そうと後を追ったのだがその途端に彼は鉄柵を軽やかに飛び越えて視界から消えた




「いやあああああああッ!!!」



只でさえパニックな中でビルから飛び降りる彼の姿は私に恐怖を与えた


冷静だったならば驚く事に違いは無いが彼の身体能力を考慮して無傷だと考えただろう



しかし今の私には恐ろしい想像だけが巡り震える脚でベランダ迄走った




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