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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第47章 親方と私達






彼が触れ合う気分じゃない場合受け入れて貰えないのでは無いかと思ってしまった

本気で拒否はされないにしても彼に愛された余韻を多分に残し幸せに浸っている今僅かな拒否をされただけでも私の心は大袈裟に傷付いてしまう様な気がする


……そのリスクを潜り抜けて甘えたとしても受け入れて貰えたならばそれだけで幸せなのだが……



兎に角、別にバカップルみたいに常にベタベタしていたい訳じゃなくたまに甘える事は可能なのだろうか……



私が何も語らずマイワールドに浸っている事に気付いたのか特段話し掛けて来ない彼の横顔をチラリと盗み見る

いつ見ても美しい造形にゴクリと唾を飲み込んだ

気だるげにソファーに体重を預けてガウンから伸びる長い脚を組む彼は言葉では言い表せない程美しく

見詰めていては何も出来なく成ってしまいそうでぎゅっと瞼を閉じて深呼吸を繰り返した


……………私は彼との有意義なイチャイチャタイムを夢見て腹を括った



勇気を振り絞り彼の前に立てば彼は無表情な瞳で私を見上げる


「何?」


なんて何時もの声を無視して彼に跨がり座れば少し驚いた様な彼の表情を見下ろした

馬鹿みたいに騒ぎ立てる心音をそのままに彼の首へ腕を回し緩く抱き付いてみる

途端に彼の表情が解らずに只艶やかな黒髪に顔を埋めれば彼は私をしっかりと抱き寄せてくれた


互いの体温が伝わって早い鼓動が加速する中


「沙夜子からなんて珍しいね」



彼の穏やかな声色が聞こえて腕にぎゅっと力を込めた


私の髪を撫でた大きな手は背中を優しく撫でる


…………勇気を出して本当に良かった


拒否所か更に自身を近付けた彼の行動に胸がキュンとして頬が緩んでしまう


「………ちょっと甘えてみました……」


私が小さく漏らした言葉に


「そう。」


彼は短い返事を返したがそこに不快感や拒否を感じさせる物は微塵も無かった



穏やかに流れる時の中愛しい彼の香りに包まれながらどれだけそうしていたのか
ぼんやり室内の景色を眺めていると


「……………………あ"っ!!!!」


私は自身が今置かれている幸せを凌駕する焦りに事もあろうに彼の耳元で野太い声を上げた


「何。」


そんな私を放して私の顔色を伺う怪訝な表情に私はみるみる青ざめる




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