ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第46章 触れ合った想い
全てのボタンが取り払われて素肌を露にした彼は同じ指先で私の唇をなぞる
只触れられた其れだけで意識が覚醒する様に一際跳ねた心臓
離れて行く指先を見送っていればサラサラと頬に落ちた冷たい髪の感覚に彼の顔が間近に迫っているのだと気付いた
「……沙夜子」
先程迄の態度とは裏腹に酷く愛しそうな声を辿れば目と目が合うと同時に唇が重なる
啄む様なキスを数回重ねる内に私の頭から戸惑いは消え行き
離れたかと思えば再び重なる形の良い唇の温かさに只焦がれる想いが溢れ出した
細められた瞳は私の表情を確かめる様に視線を注ぎ
強張った身体から力が抜けて行く頃、熱い舌が唇を割り私は其れを受け入れた
しっとり絡む舌に目眩を覚える
こんなにも早い段階で目眩だなんて私はこの先気絶するのでは無いだろうか……なんて考える余裕も無く
翻弄されるままに必死に舌を絡ませれば深く角度を変えられ息苦しさに彼の胸を緩く叩いたが口付けは止まず更に深く歯茎をなぞられ涙が滲んだ
私は初めて彼とキスを交わした時その柔らかさ体温の温かさに驚いた
彼も生きているのだと、当たり前の事実を確認した様だった
そして深く唇を交わした日私は淡白な彼がこんなにも情熱的なキスをする事に驚いた
とても意外だと感じた
まるで深く探る様に交わる感情的なキス
漸く離れた唇に荒い呼吸を繰り返しながらも身体がじんわり熱を帯びているのが解った
呼吸ひとつ乱さずに私の唇を妖艶に舐め上げた彼はまだ消えていない痕を辿る様に首筋に唇を落とし始める
キスを重ねた事でしっとりとした唇が素肌に触れてピクリと跳ねる肌
その間にも彼は私のガウンの帯を解きカーテン越しの淡い朝日の下に私の肌を露にする
彼に付けられた沢山の薄紅色の痕に頬はみるみる熱く成った
明るいベッドの上で下着姿を見せている事も相まって羞恥は膨れ上がり顔の両横に付かれた彼の逞しい腕をぎゅっと握るとチラリと此方に寄越された流し目に私は思わず顔を反らした