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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第46章 触れ合った想い





細められた双眼が私に近付き柔らかく唇を奪ったかと思えば両肩を抑えられて簡単にベッドへ沈む身体

そんな一瞬の中でいつの間にか脚を挟み込み動きを封じる様に私を組み敷いた彼の行動に驚きと羞恥が一気に込み上げた





「イルミさんっ……まだ朝です」



精一杯絞り出した声に彼はピクリと眉を反応させる


「だから何?」


「………心の……準備が………」


「準備する時間なんて今まで沢山あったでしょ。」




伏し目がちな瞳は妖艶な色を滲ませながらも私を捉えて離さず

会話を交わしている今この時彼は自らのシャツのボタンを片腕でひとつひとつ開いて行き


破裂しそうに早い鼓動が耳に煩い


「………せめて……今夜………とか」


私の言葉に彼の動きがピタリと静止し不適な表情がより一層深まる


「何?嫌なの?」


「……違っ……嫌じゃな「じゃあ少し黙りなよ」




私が何故今夜を望んだのかは彼の放った雰囲気や行動が原因だった

今迄の彼は不適ながらも余裕を漂わせていた

今回も余裕を滲ませてはいるもののその瞳には以前迄とは比べ物に成らない艶めいた色を湛え

強引な態度は私に戸惑いを与えた

決して嫌な訳では無い

私も彼を望んでいた

しかし唐突に現実味を帯びた今私はどうすべきなのか頭が真っ白に成っていた


有無を言わさぬ声色に唇を閉ざして只彼を見詰める


視線の先長くしなやかな指がボタンを外す

黒いシャツから徐々に光りを浴びる白い肌


目の前の出来事がまるで悠長に見えて

私はそんな自身等の姿を何処か俯瞰で見ている様に錯覚するくらい他人事の様に感じる程頭が回らなく成っていた




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