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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第46章 触れ合った想い






9月2日



鼻を掠めたコーヒーの香りに目覚めるとキッチンからコーヒーカップを手に持った彼が悠々とソファーに向かって来る所だった


私は即座に飛び起きて声を上げる


「お帰りなさいイルミさん!」


「ただいま。」


私を真っ直ぐ見遣った彼は視線をそのままにローテーブルへカップを置くと私の直ぐ傍に腰掛けた

ギシリと音を経てるスプリングに胸が跳ねる

寝起きですっかり吹き飛んでいたが彼の置き手紙の文章を思い出したのだ



"帰ったら続きを"



なんて言葉は勿論書いていなかった

勝手に私がそう解釈しただけで今夜と決まっている訳でも無い

現に先程の彼は普段と変わらぬ無機質な雰囲気を漂わせていたのだし



私が意識し過ぎているのかもしれないと思いながらも彼を見上げれば驚く程に妖艶な視線とぶつかって息を飲んだ



「今日は外に出ない。」



普段より低く響く声に私は只彼を見詰める事しか出来ないでいた

その声色が酷く淫靡な響きで私の耳に流れたのだ




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