ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第45章 カップルメール
次の写真は本棚側からのアングルらしく馬鹿みたいに大きなテレビとクローゼット、重厚な扉が3つ写っていた
やはり物が少ない………イメージ通りではあるが何だか寂しい部屋だと感じた
次いで部屋一面が映る程の大きな鏡にスマホを無表情で構える彼の姿が写っていて不意打ちに身悶える
「っっっっ可愛い……………!!!」
何が可愛いと聞かれても巧く説明は出来ないが私の我が儘にカメラを撮って送ってくれた彼の姿は愛しい他無かった
しかも彼の出で立ちが映画で見たチャイナ服だった事に私は戦慄を覚える程萌え上がっていた
彼は仕事着姿を決して見せない
故にその威力は相当な物でスマホ画面を見ている事で隠れてしまっている鼻から口元がもどかしい
次いでやはりモノクロで統一された洗面所とお風呂、トイレ
どれもあり得ないくらい広そうで少し笑った
最後に故意に指で部屋の大半を隠した様な写りの写真
「…………?」
拡大して見れば隠されていない部分にはデスクとパソコン等が設置されており仕事部屋なのだと理解する
仕事着姿を見せなかったり仕事後シャワーを浴びて帰る等私を出来る限り暗殺の世界から遠ざける彼の事、これも配慮なのだと考え触れない事にした
………しかし、こんなに沢山の写真を送ってくれるなんて思っても見なかった………!!!
リビング全体の写真一枚でもと思っていたが生真面目な彼の事、私の文章から考えた挙げ句部屋中をカメラに収めたのかと想像すると可愛いが止まら無くなった
そして何より慎重で警戒心の強い彼が自らの住まいを私に躊躇い無く見せてくれた事が嬉しくて
気が付けば寂しさは何処かに消えていた
私は彼に早速返信を打った
『ほんまにありがとうございます!イルミさんらしい素敵なお部屋ですね!見れて嬉しいです\(^^)/』
『別に』
なんて素っ気ない返信にも頬が緩んでしまう
…………振り返って見れば私達はこんな風にメールを交わす事等無かった
今の私達は普通の恋人と変わらない他愛ない会話を文章で交わしていて
『おまけ』
なんて文章と共に送られて来たご実家の番犬ミケの写真に私は笑みを溢す
彼と会えない時間もこんなに幸せだなんて私は世界一贅沢者だ