ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第43章 異世界ピクニック
彼が花を眺めれば大きな瞳に色が咲く
あの木には大きな実が生るだとかこの時期は渡り鳥が南からやって来るだとか彼は色々な事を教えてくれた
私はそんな彼の声を聞きながら色付いた瞳をずっと眺めていて
この時が、この幸せで穏やかな時間が永遠に終わらなければ良いのに……なんて考えた
「ここの湖も洞爺湖と同じで冬でも凍らないんだ。」
「………じゃあめっちゃ深いって事ですか…?」
「うん。」
見渡せばクリアブルーの水に深さを感じないが確か貯水量が関係して凍らないのだと聞いたので水深を考えれば美しくもあり少し恐ろしいとも感じた
徐にジーンズの裾を捲り上げて靴を脱いだ彼は湖に足を浸ける
「沙夜子は遊ばない?」
以前ならきっと私が彼を誘っていた場面で彼の小さな変化を感じた
チャプチャプと音を経てて波紋を広げる水に私も足を浸ける
冷たく足を撫でる水に小さな歓声を上げれば
「ピクニック、来れて良かった。」
彼は伝えるでも無く小さく呟いた
「……私めっちゃ幸せです。連れてきてくれてありがとうございます!」
笑顔を浮かべた私に「別に。」なんて素っ気ない彼だがその表情は柔らかく胸がポカポカと温かく成った
「因みにこの湖には50mを超える湖獣魚が住んでる」
なんて言葉を聞くまで私達は水と戯れていた
「っ怖すぎる!!!!!早く言ってくださいよ!!!!!」