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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第43章 異世界ピクニック






心地好い沈黙の中湖面が揺らぐ穏やかな水音が響いていて私達は黙々と冠を作った


どれだけそうしていたのか出来上がり間近に迫った冠に視線を落としていると彼は私の直ぐ傍に屈み込んだ

影が光を遮り見上げた先で目と目が合って私は息を飲み込む

伏し目がちな瞳が真っ直ぐに私を捉えてその瞳に魅了される

私の頭に花の冠を乗せた彼の仕草を随分悠長に感じたのはきっと私が彼に見惚れていたからで


真っ直ぐ交わった視線の先彼は私に顔を寄せると触れるだけの優しいキスをした


固まったままの私の頬を撫でる大きな手に次第に上がる体温を感じて

私の正面に座った彼を呆然と見詰めれば彼は色とりどりの花も霞んでしまう様な美しい微笑みを浮かべた

その間呼吸を忘れていた私は只何も出来ずやっとの思いで動いた指先で冠を紡ぐ姿を彼は静かに眺めていた



________"




私の作った冠は彼の頭に乗せた

嫌がるかと思ったが特に抵抗する事も無く代わりに私の頬に優しい唇を落とすと


「お揃い。」


なんて言うものだから私はドキドキを通り越して動悸を起こした


やっと振り絞った声は


「一緒に写真撮りましょう!」


馬鹿みたいに裏返りスマホで撮った写真は私だけ顔が真っ赤だった





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