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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第43章 異世界ピクニック







…………仕事で訪れたと彼は話した

そして私に見せたかったのだと


つまり私と彼が異世界に離れ離れに成っていた間に彼は此の景色を洞爺湖に重ね、私を思い出してくれていたのだ


私が彼を想い続けた歳月……彼も同じ様に……………


胸がぎゅっと成って目頭が熱くなる

感慨深くもあり嬉しくもある気持ちは私の心にすんなり溶けて行く


「昼食にしよう。」


なんて単調に言った彼に私はどんな表情で返事したのか解らない

だけど張り上げた声は間抜けに震えていて

彼はそんな私を真っ直ぐ視界に捉えると柔らかな笑みを落とした





「美味しい!!」


「うん。美味しい。」


私達二人の力作は上出来で朝食を食べていなかった事もあり直ぐに平らげてしまった

この分だと夕飯も楽しみだと言えば彼に食いしん坊だと言われてしまった


「あのお屋敷に住んでる人は毎日この景色を見るんですね~」


満腹のお腹、地上よりも涼しい風は日除けに成っている葉を揺らし心地好く頬を撫でる

巨木から見える大きな屋敷は立派な造りで高貴な方がお住まいなのだろうなんてぼんやり考えていると


「彼処は無人だよ。」


彼はポツリと呟いた


「そうなんですか?素敵な立地やのに勿体無いですね」


木漏れ日とそよそよ揺れる葉の音に眠くなりながらも穏やかな時の流れを噛み締めていると


「あそこに住む?1ヶ月だけど」


なんて彼はぶっ飛んだ提案をした




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