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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第43章 異世界ピクニック







50階とは行かないものの私の世界では滅多に見ない大きさの木は見上げれば高く気が遠く成って行く

どんどん離れる地面から視線を反らしぎゅっと瞼を閉じれば直ぐ近くに鳥の鳴き声が聞こえて薄く目を開いた


「随分大きく成ったね、もう直ぐ巣立ちかな」


彼は単調な声を上げた


其処には大きな鳥の巣があり、中型犬程の大きさの鳥が6羽身を寄せて此方を見ていた


「わぁ!!」


立派な羽や凛々しい顔立ちから大人に見えるが巣の中にきゅうきゅうに収まっている事と彼の言葉からまだ雛鳥なのだと解った


「以前見た時は拳くらいしか無かったんだよ。」


単調に言った彼だがその眼差しは過去を思い返している様に見えた


「前も此処に?」


「仕事でね。直ぐ到着するから掴まってて」


仕事で訪れた場所………何故木の上……?とは思ったがぎゅっと彼に抱き付けば彼は其処から数本枝を登り私をそっと下ろした


先程もそうなのだが枝と言うにはあまりにも太く私達が座っても折れたりは絶対にしないだろうが

下から見るよりも随分な巨木に私は呆気に取られて座り込む


その途端に葉と葉の隙間から見えた風景に歓声を上げた

太陽に照らされてキラキラと輝く湖は美しいクリアブルーを揺らし黄色や桃色の花が湖畔一杯に咲き乱れていたのだ


「…………綺麗………」


澄んだ湖は湖面に空を写して真っ白な雲が流れる


「沙夜子に見せたかったんだ。似てると思わない?」


なんて彼の言葉に答えは直ぐに浮かんだ


「洞爺湖………」


「うん。」


雪景色でも無い景色を見て何故そう思ったのか

きっと其れは自然の真ん中、山々に囲まれた地形や静かに佇む湖の雄大さがそう思わせたのだ



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