ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第42章 困惑の購入物
アブノーマル……………?!?!
何故今アブノーマル…………確かに薬を料理に混ぜるだなんてクレイジーにも程があるが其れを私の趣味だなんて言われては私がとんでもない奴だと思われてしまう
大体私は彼がそうするのでは無いかという仮定から発しただけで私の事柄では無いのだ
全力で否定する私に溜息を付いた彼はそれ以上何も語らず私達は謎の気まずさに包まれたまま部屋に戻った
買い物袋から次々食材を取り出して冷蔵庫に押し込んで行く
大量の調味料を前に取り敢えず料理本を開く事にした
彼は帰宅後ソファーに座るや否や何かぼんやり考え事をしている様で二人でお弁当を作ろうと言ったのに……なんて
私の馬鹿さ加減に呆れてしまったのだろうかと思えば心臓は嫌に早く成った
黙々と料理本のページを捲りながらも頭の中では彼に見捨てられる恐怖が広がり指先が震える
大好きな彼との別れ…………
彼に愛想を尽かされてしまえば私は居場所が無くなってしまう
それに異次元への別れでは無く気持ちが離れてしまっては慎重な彼の事……簡単には受け入れてもらえない………きっと言葉すら聞き入れて貰えなくなってしまう………
胸が痛んでじんわり滲む涙
別に嫌いだと言われた訳でも無ければ別れを告げられた訳でも無いのに勝手な妄想は自身を追い立てどんどんネガティブに成って行く
そんな時、ギシリと音を経てたソファーに目を向ければキッチン迄やって来た彼と目が合った
ガシガシと頭を掻きながら私を見下ろした彼は薬局の袋を私に差し出した
「沙夜子絶対勘違いしてるよね」
…………勘違い……………私はそもそもを間違えていた…………?
袋から取り出した箱をまじまじ眺めて赤面を通り越して顔から火を吹き出しそうに成る
途端に脂汗が溢れて羞恥から震える手で袋に突っ込み彼に突き返した
「どういう用途かは答えられるけど流石に町中では不味いかと思ってさ、要するにセ「結構ですっ!!!!!!!!!!」
裏返る声で彼の言葉を遮る
説明されずとも用途は知っていた
箱に書かれた文字は
……………"コンドーム"だった…………
「うあああああ………………っ!!!」
怒涛の様に込み上げる羞恥にこの場に居ることすらいたたまれず奇声と共に踞る