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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第41章 村のホテル



__________"




「質素な夕飯だけど、一応この村で一番のホテルだから我慢して。」


レストランの夕食は日替わりらしく自分達で選ぶ事は出来ないシステムだった

5階のフロアを見渡せば部屋は3つしか無く下の階には4つの扉

そこから私達が宿泊する部屋がスイートルームなのが解ったがホテル内は静かで沢山の人が宿泊している訳では無い様だ

レストランも見渡せば旅人の様な格好の人が3名見受けられるだけでガランとしていた


…………………しかし…………


「めっちゃ美味しそう!!!」


目の前の料理を彼は質素だと言ったが私には素敵過ぎる物に見えた

バケットの上にトロトロのチーズが乗っていて燻製生ハムとじゃがいものクリームスープが添えられたプレートは幼い頃に憧れた料理と酷似していた


………………これは……………


……………アルプ○の少女ハ○ジの食卓!!!!!!


嬉々として貪れば伸びるチーズに笑顔に成る


まさか異世界で憧れの料理に巡り合うとは………不思議………


レストランは小ぢんまりしていて可愛らしい刺繍が施されたランチョンマットにレトロなステンドグラスが嵌め込まれた窓、淡く灯りの灯ったガス灯が可愛い空間を造り上げていて私は益々このホテルを気に入った


「ご飯も内装も素敵なホテルですね!」


「ふーん。」


無表情な彼だが言葉から察するに彼にはイマイチなのだろう

こんなに素敵なのに……なんて思うがセレブな彼には素敵に見えないらしい

その後ポツリポツリと会話を交わしながら夕食を済ませて部屋に戻ると彼はローテーブル上の紙袋を漁り始めた

車に乗り込む際、彼がいつの間にか持っていた紙袋

中身は何かとソファーに座り眺めていると彼が取り出したのはコーヒーの瓶、紅茶のティーバッグ、そしてワインだった


「飲む?」


チラリと此方に視線を流した彼に頷けばコルクを抜いたワイン瓶をグラスに傾けてくれた


「ありがとうございます!」


「別に。」


「乾杯です!!!」


「乾杯。」


静かな部屋にグラスの音



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