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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第41章 村のホテル






部屋から出るなという内容では無いものの客室とレストラン以外何もないホテルでは以前と余り変わり無い様に思った


「…………あの、せっかくキッチンもあるし………料理本も読んでるのに………料理したら駄目ですか……?」


私は此方の世界に来てから料理をしていない
毎日毎日ホテルのルームサービスに頼っていたヨークシンでの1ヶ月

それはそれは豪勢な料理の数々に贅沢の限りを味わった私だがそろそろ家庭的な自身の手料理を恋しく思っていた

そもそも料理が出来る様にと購入してもらった料理本も出番が無ければ意味が無い………



私をじっと見据えた彼は


「駄目。」


単調な声色で言った


大体、ヨークシンが治安悪く危険だと言われるとカジノの街という事もあり納得出来るがこんな平和な雰囲気の田舎街で何故外出禁止なのだろう


それに毎食毎食レストランだなんて…………


…………ここはひとつ食い下がってみる事にした

別に宛て無く街を散策出来ずとも食材を買いに行く事くらい許して欲しい

山に囲まれ自然豊かな村はきっと歩けば気持ちが良い筈だ



「でもイルミさんは身体が主本でしょ……?」


「駄目。」


「栄養バランスだって大切やし、手料理の方が良いと思います……」


「……駄目。」


彼の言葉に僅かな間が生まれた

それが私のしつこさからなのか気持ちが揺らいでいるのかは不明だが単調な彼の言葉を変化させる事が出来た


勿論私の言葉は本心だしそこには微塵の嘘も無い





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