ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第41章 村のホテル
ヨークシンの街並みとは程遠い村の景色
レンガ造りの民家や小さなパン屋さん、しかしながら村人で溢れる露店商は賑やかに活気で溢れており
5階建て宿の角部屋から眺める風景は自然豊かで元気なセミの鳴き声に胸は弾んだ
広さは二人には十分なもので私のアパート2つ分はありそうだ
キッチンに備え付けの冷蔵庫、タイルの可愛い小さな洗面にお風呂とトイレ
窓辺に寄り添ったシングルベッドが2つ設置されていて
小ぢんまりとしたバルコニーから良い風が吹き込み淡いクリーム色のカーテンを揺らした
まるでアパートの一室を借りた様な部屋は広くて壮観なホテルより幾分も落ち着く雰囲気で
1から生活をスタートさせる同棲カップルの気分に成った
「私ここ気に入りました!!」
「そう。」
各々荷物を広げながら整頓している内に時計は19時を指す頃
「そろそろ夕飯にしよう。」
彼は整頓の終わりを見計らい声を掛けてくれた
飛行船では昼寝の後DVDを見ながら昼食を取ったが軽い物だった為に空腹に成っている
「ここのホテルは宿泊客のみ一階のレストランで食事出来る事に成っていてルームサービスは無い。勿論部屋代と一緒に支払いは済ませてあるから会計の心配は無いんだけど、……沙夜子には注意しておく点がある」
真っ直ぐ私を見下ろした彼の瞳を見詰める
注意とは一体何だろう……なんてぼんやり考える私に
「先ず、一人で食事する時はホテルのレストランだけ、つまりホテルの外に出ない事。デリバリーも禁止だからね。食事は必ずホテルのレストラン、解ったね?」
………………要約すると外出禁止である