ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第40章 恋愛傾向
ごくりと唾を飲み込みつつ次の項目へ視線を移す
【浮気はできない】
【本能で生きることはせず、理性を大事にして行動するので、“浮気は悪い行為である”ということを冷静に判断することが出来ます。
どんなに女性からアプローチを受けたとしても、彼女のことを1番に考えているのであれば火遊びはしないタイプだと言えるでしょう。】
私は文章を読みながらニヤニヤしてしまった
正確には少し笑ってしまった
彼は見目麗しい端正な容姿の持ち主だ
その上気が利いていて上品で紳士的だなんてモテない筈が無い
正直平凡な私は不釣り合いな程素敵な男性なのだから浮気の心配が無いと言えば嘘に成った
彼は格段に私より外出するし外出先で出会いがあるかもしれない……綺麗な女性を見れば迷いが出るかもしれない………なんて考えた事もあった
しかし信憑性の高い占いにその心配はほぼ無いと書いていたのだ
それはつまり彼は世界中で私だけの事を愛してくれるという事で途端に身体中を幸福が駆け巡った
大好きな彼は私だけの素敵な彼氏…………
「イルミさん……浮気しないでくださいね!」
「うん。」
弾んだ声に彼は呆れながらもしっかりと返事を返してくれた
そして次の項目
【好きと言わない】
【口下手で女性が喜ぶような甘い言葉を言うようなことはあまりありません。愛情表現が苦手で、「好き」とか「ずっと一緒にいよう」などの言葉を多用することはない】
…………確かに!!!
彼は私に一度だけ"大好き"と言ったきり好きだと言ってくれない
私が好きだと伝えても「知ってる」と返されてしまって「俺も好きだよ」なんて甘い言葉はくれない
彼は元々無口な人だが口下手かと言われるとお説教の際の達者ぶりにどうかと思うが
毎日毎晩好きと言われるよりもたまに好きと言われた方が特別な気がして……
私はそのたまにを待つ事にしたのだ
次いつ聞けるのかは解らないが次もきっとキラキラして大切な思い出に成るだろう
チラリと隣の彼の様子を伺うと彼はいつの間にか私の手にある雑誌を覗き見ていた
突然私が無言に成ったから気になったのかもしれない