ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第40章 恋愛傾向
【ただ、我慢ばかりすると本音がいえなくなってしまいますから、どこかで自分の「素」も出せるように努力したほうがいいでしょう】
…………本音が言えないなんて悲しい
彼はイエスとノーがはっきりしているし其れは本音なのだろうが深い深層心理の部分は決して見せてくれない
私が聞いても答えたく無い事に彼は絶対に答えないだろう
………誰しもがそうなのだが………
きっと家族より彼の人柄を知っている私に少しくらい悩みや愚痴を吐いてくれやしないだろうか
彼は今まで一度足りとも愚痴や弱音を吐いた事が無い
悩み相談なんて微塵も無く彼は全てを頭で決めてから言葉を発する
なんだか少し寂しい気持ちに成った
カップを両手にソファーに戻った彼は横目に私を捉えるとまた溜息を付いた
「………どうしたの。」
彼はまた私が考え込んでいる事に、感情の変化に気付いてくれた
そして私の気持ちを受け止めようとしてくれるのだ
………ならば私だって………
「………イルミさん!私には、………私には色々話してくださいね!感じた事とかちっさい事も……愚痴でも悩みでも!私イルミさんの話し聞けたら嬉しいですから!」
真っ直ぐ交わった視線の先彼は少し驚いた様な顔をした後、僅かに微笑んだ
「解ったよ。」
柔らかな声色につられて私迄笑顔に成る
少しずつでも良い
彼が伝えてくれる気持ちに耳を傾け続けようと思った