ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第39章 常識外れの水遊び
__________"
「あ、水中で正座できますか?」
「………した事が無い。」
「やりましょう!」
私達は引き続き野外プールにて遊んでいた
他に何をしたのか教えてと言われても水泳授業に遊びは其れくらいのものだし市民プールで弟と遊んだ記憶を頼りに二人向かい合っている
「せーの!」
私の声を合図に潜った私達
肺から空気を吐き出せば身体が浮力を失い底に沈む
私はそのタイミングで正座したのだが
目の前の彼は私より遥かに安定感のある正座を見せていた
まるで此所が水中である事を忘れさせる様に静かに鎮座する姿は少し………怖い
先程からゴーグル等付けずに目を開いている私達だが彼は地上と変わらずに目を開いており無表情も相まって根元的な恐怖を仰いだ
息が苦しくて水面に上がった私に続き水面に上がった彼だが
「これ何が面白いの。」
恐怖心を抱かせる程完璧な正座を決めておいて不満気に呟くので笑ってしまった
……確かに何が面白いのか聞かれると答えは無かった
「じゃあ脚の下くぐりしましょ!」
「……うん。」
私の提案にうんと答えるもののどういう事か理解出来ていない様子だ
「私から行くので脚開いてください!」
私の言葉にすんなり脚を開いた様子に潜って脚の下をくぐって見せれば彼は僅かに目を見開いた
…………何が彼を驚かせたのかは謎だが私が脚を開いたのを見るや潜った彼に笑みが漏れる
私より数回り大きな身体を持つ彼がすんなり潜り抜けられる様に大きく脚を開いて見れば水中の気配は私の脚を通り抜けた
ザバリと音を経てて顔を出した彼が首を傾げて「終わり?」なんて言うので二人で何度も脚の下を潜り抜けた後
「昼食にしよう。」
唐突に言った彼の言葉により私達は野外プールの影に設置されたテーブルにて昼食を取る事に成った
しかし驚いたのはホテルスタッフが其処まで豪華な料理を配膳してくれた事だった
次々に運ばれるフレンチ風の料理の数々
まさに至れり尽くせりの対応に固まってしまう
……………体育館の様な部屋に宿泊し、そのフロアを貸し切ってボディーガードを付けさせ、挙げ句プールを貸し切って宝石で遊ぶVIP客…………
ホテル側から見れば私達はそんな人物なのだ