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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第39章 常識外れの水遊び






交代でジャラっと音を経てて手のひらに包んだ宝石


一粒一粒が大振りで美しい見た目にかなり高価なのだろうと思えば冷や汗が流れた


………宝石をプールに投げる………という異様な行為は私の手を震わせる


「沙夜子?」


そんな私をじっと見ていた彼は不思議そうに名を呼ぶので笑顔を無理矢理に作って宝石をプールに投げ入れた


其れを合図に彼もプールに潜りプールサイドに残された私は呆然と立ち尽くす



…………………やってしまった感が凄い。


得も言えぬ罪悪感が押し寄せる


そして私は決意した。


どれだけ彼の常識外れを実感しても私はしっかりとした常識を忘れずに生きて行こうと

こんな事に慣れる兆しは更々無いが慣れてしまうと色々終わりな気がした



一粒拾って私の手に宝石を落とす彼



…………………可愛いしセクシーだ


私の話した宝さがしとは随分と次元が違うが内容は小学校の水泳授業のお遊び

其れに真剣に取り組む彼の姿が可愛くて頬が緩む


……………それにこんな事を考えていては彼に怒られるかもしれないが宝石を拾っては私の所に持って来る彼は何だか意地らしくて忠犬を思わせる可愛さに溢れている


しかし、水面から顔を覗かせて鬱陶しそうに張り付く髪をかき上げる姿は一変してセクシーでその腕の逞しさや伏し目がちに細められた瞳は魅惑的としか言い様が無く

水も滴る良い男とはまさに目の前の彼の事だと思った




「はい、10個」


なんて言いながらしゃがんだ私の手のひらにルビーを落とした彼の長い指先が私の指に触れた

其れはきっと故意では無いのだが僅かな触れ合いに視線を彼へ向ければ私を見上げた彼の双眼とぶつかった

位置関係から私を見上げる彼は上目遣いで見慣れない表情に瞬時に紅を差す耳や頬



「他にはどんな事してたの?教えてよ」



言いながら僅かに微笑んだ彼は太陽光が反射する水の中キラキラと輝いていて私は暫くそんな彼に見惚れていた




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