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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第38章 水着






頭までびっしょり水浸しの私達は軽い足取りで次のウォータースライダーへ向うと
先程とは事なり二人乗り浮き輪に乗って滑るのだと係員の人が説明してくれた


体格差で当然彼が後ろなのだが開いた脚の間におずおず座ると彼は私のお腹に手を回してぎゅっと抱き付く様に身体を密着させた


しっとり濡れた肌が重なって体温が背中に伝わりドキドキと騒ぎ始めた心臓は私の全神経を背中に集中させる

首筋にかかる暖かな呼吸が擽ったくて頬が染まり行く中、浮き輪が唐突にスライダーを滑走し始めるので叫び声を上げる


きっと係員の人はスタートの合図を出してくれていただろうが彼の事を意識しまくっていた私には何も聞こえていなかったのだ


身体で滑るより摩擦が少なく更に二人乗りな為に重さも相まってスピードは相当な物でビュンビュンカーブを滑る浮き輪の遠心力が凄い


私の世界にもウォータースライダーは勿論存在するが、こんなにもスリリングな物だっただろうか……


当然ながら安全ベルト等付いておらず何処かに掴まろうと浮き輪の縁を掴んでみるが滑って満足に掴めない

カーブを曲がる度に振り落とされる恐怖は募り
私を抱き締めている彼の腕をぎゅっと掴むと身体が安定した


途端に広がる視界


浮き輪は真っ直ぐにプールに落ちて私達は振り落とされプールの底に沈んだかと思えばものすごい浮遊感で水面から顔を出した


私を抱き締めていた彼がそのまま引き上げてくれたのだ

力強い腕に抱かれたまま伝えたお礼はやけに響いて


「別に。」


事も無さ気に答えた彼に私は笑顔を向けた






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