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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第38章 水着







私の脳裏に浮かんでいたのは私はいつかこの男性的な身体に抱かれる事があるのかと想像していたのだ

抱き締められるだけで愛しくてその逞しさに胸は震えるのに
私は一体どうなってしまうのかと……

…………そんな事を考えてしまっていたので熱い顔は更に体温を上げていて



「普通だけど。………沙夜子って筋肉好きなの?前にも言ってたよね」


なんて無表情に質問した彼にどぎまぎしてしまった


筋肉を好きかと言われると良く解らない
ボディービルダーの筋肉はどちらかと言えば苦手だ………


彼の均等の取れた身体だから、彼だから見てしまう



「………えっと筋肉が好きって言うか…………イルミさんやから………」


「ふーん。」


気恥ずかしさをそのままに紡いだ言葉に彼は特段興味無さ気に呟いた後いきなり私を浮き輪ごと抱き上げてプールサイドに上がった


「一周したからウォータースライダー」


なんて単調な声に状況は理解出来ても濡れた素肌の感覚に心臓が早くなる


「イルミさん!私歩けます!!」



裏返りそうになる声で言えば彼はすんなり私を下ろしてくれた

チラリと見上げた彼は既にウォータースライダーを見据えておりいつもの無表情ながら瞳はあどけなく揺れていて頬が緩む



私達は階段を登り随分高い位置に設置されたウォータースライダー迄やって来た

水面から随分離れた高所なのに天井はまだまだ高くてこの空間の広さに感心していると彼は係員に指示されるまま私を置いて滑り下りてしまった


……………相当楽しみにしていたのだろう

遠く聞こえる水面の水音に彼がプールへたどり着いたのだと知る



「さぁ、リラ様もどうぞ」


なんて笑顔を向ける係員に笑顔を返しつつ私も水が流れるスライダーを滑り始めた

カーブの度に水飛沫が上がり滑走する身体は時折跳ねる浮遊感も相まって楽しくて仕方がない

あんなに沢山階段を登ったのに派手な音を経ててプールに到着するのはあっという間だった


水面に上がり酸素を吸い込む



耳に水が入った為に水抜をしていると彼は濡れた残り髪を撫で付ける様にかき上げていて


「めっちゃ楽しいですね!」


「うん。次違うの行こう。」


何処か楽し気な彼の横顔に私もつられて笑顔に成った




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