第38章 水着

次の紙袋にゴクリと唾を飲み込む


真相は謎だが彼の好みに徹底されていれば私は水着を着る事すら出来ない………


がさがさと音を経てて開いたラッピングから覗く黒


…………またしても黒…………


………いや………黒は素敵な色だが………



チラリと彼を盗み見れば彼の大きな瞳は私の手元をじっと見据えていた


恐る恐る取り上げるとまたしてもセクシーなモノキニ水着

先程よりは随分とマシだがホルターネックのそれはお腹の露出を抑えて布がクロスしておりオヘソと脇腹、背中を露出するワンピースタイプの物だった


紐では無い分幾分か良いがやはり下着と趣向が共通している気がして

もし仮にこれ等が店員さんのオススメなら店員さんは相当の露出狂だ

店員さんはヒソカさんなのか……？なんて思ってしまう



「………私には着こなせないです」


呟いた私に間髪入れず


「似合うと思うけど。」


なんて言う彼をじっと見詰める


白々しい迄に無表情の彼………


私は確信した


…………絶対に店員さんのオススメなんて買っていない…………