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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第38章 水着





8月24日



私がこの世界にやって来て早くも1ヶ月が過ぎ様としていた

あっという間の1ヶ月………


彼が消えた日々は途方も無く長く感じたのに彼と再会した途端時間は早く進み始めて理不尽に思う


私は毎日日記を書いている

勿論彼にも見せていない。

見せられない。


彼がいてもいなくても彼の事でぎっしりの日記は元の世界に帰った時に家族へお土産話しをする為に始めたのだが完全なるノロケ話しに成るかもしれない……



……………元の世界に帰る…………


…………再会しても私達には別れが付きまとう


一度別れを経験した私達はその辛さを知っている


……………まだ1ヶ月………考えるには早いと日記を閉じた






「沙夜子行くよ。」


「はい!」



私の名を呼ぶ愛しい声に弾む声

胸はズキズキ痛むが其れには気付かないふりをした





________"




昨夜彼は私にプレゼントをくれた

可愛らしい紙袋は全部で5つ

それらをダイニングテーブルに置いた彼は


「明日はホテル内のプールに行こうと思って。ウォータースライダー……って言うのがあるんだって」


抑揚無く話してくれた

つまり話しの流れから紙袋の中身が水着である事が予測出来る


「海には行けないから。」


単調な声だがその声色は何処か申し訳なさそうで私とのデートを色々考えてくれたのだと思えば嬉しさが込み上げた


「水着、どんなのが良いか解らないから店員のオススメ買ってきたんだけど。好きなの選んで」


「はい!ありがとうございます!」


溢れる嬉しさをそのままに声を弾ませ紙袋を開く

私を連れて行ってくれたらこんなに買わずに済むのに勿体無いとは思ったが口には出さなかった

折角私の事を考えてくれたのだし……可愛らしい水着が並ぶ店内で浮くに違いない彼がわざわざ店員さんに聞いて買ってきてくれたのだ……その彼の好意に水を差したくは無いと思ったのだが



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