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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第37章 観察するヒトコマ







あの態度が示すのは恐らく自身に何らかの不満があるという事……


…………何だ………何をした………?


記憶を振り返っても彼女は上機嫌で全く心当たりが無い………


なんて考えているとシクシクと泣き始める彼女に最早心配に成ってきた


ダイニングテーブルに歩み寄り隣に座る


「どうしたの。」


自身の声に泣きべその顔を上げた彼女は小さな声で


「ごめんなさい……無性にイライラして八つ当たりしたくなくて……でも折角イルミさん一緒におれる時間やのにって思ったら嫌になって………」


「うん。」


「……ほんまはもっと一緒におりたいのに仕事ばっかりとか……我が儘な事考えちゃったら寂しくてイルミさん悪く無いのにイライラして………」


「うん。」


「いつも私が寄って行ってばっかりで………イルミさんは来てくれへんとか………私が避ける様な事したのに………勝手に悲しくなって………涙出てきて………」



声を詰まらせながら涙を流す彼女の言葉は

要約すれば其れだけ自身を想い、寂しさを感じているという事だった



(……………本当に馬鹿だな。)



女性に月経前症候群という物が存在する事は知識としてあった
その時期に部屋を空けた事で精神的に不安を感じていたのだろう

其れをぶつける術が解らずに苛立ち彼女は最終的に泣いてしまった



「話してくれてありがとう。寂しかったんだね。」


ぎゅっと抱き寄せれば頬を寄せる小さな彼女


「………我が儘でごめんなさい」


不安気に見詰める瞳に笑みが漏れる



…………こんなにも愛しい人



「沙夜子の我が儘は怒ったり泣いたり大変だね。」



気が付けば1日を彼女の機嫌を伺う事に費やしていた



…………俺をこんなに振り回せるのも沙夜子くらいのものだよ



なんて言ってはあげない。



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