ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第37章 観察するヒトコマ
リビングへ行っても同じだった
普段から良く食べる彼女だが今日は自身と同じくらいの量の昼食を食べた
体調が優れない訳では無いらしい
普段ならソファーでピッタリ隣にいる彼女がソファーの端に座ってクッションを抱き締めていた
傍に呼んでみても首を振る姿に距離を置かれていると感じた
………自身は何か気に入らない事をしただろうか………
一緒にDVDでも見ようと提案し、DVDを見始めた
老人の人生を辿る其れはノンフィクション物で人生も人様々だなんて考えていると彼女は驚くくらいに号泣していた
目覚めから元気は無かったがその涙の溢れ様に戸惑いを隠せず傍に腰を下ろせば先程とはうって変わりピッタリ引っ付いて離れ無くなった
溢れる涙を指で拭ってやると自身の膝に倒れ込む様に抱き着いた彼女はその体勢のまま映画を見切り
「あのお爺さんはほんまにお婆さんを愛してたんですね!感動です!」
なんて涙声で感想を語り始めた
表情を見る限り面白かったらしい
彼女が膝を占領している為にコーヒーを入れる事も新しいDVDを取る事も出来ないが機嫌の良い様子からそのままにしておいたのだが
興奮気味に感想を散々述べた後に彼女はそのまま眠ってしまった
「……………。」
まだ眠れるという事実は驚きだが傍に転がっていた小説を読む事にした