ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第35章 毒
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「凄い凄い!!!!」
彼が連れ出してくれたのはホテルを出て直ぐの大きな道だった
私は視線を忙しなく動かしていて「転ぶよ」なんて彼に手を握られている
何が凄いのかというと普段から華やかで賑やかなヨークシンの街だが今夜は年に3日間開催されるパレードの日という事で
派手な装飾はより一層派手に輝き大通りを封鎖してカラフルな電球で光る馬車やトレーラーには華やかな衣装を身に付けた踊り子さんがダンスを踊っていた
大音量で流れる陽気な音楽に沢山出ている出店は活気で溢れその雰囲気はお祭りとカーニバルが一体に成った様な賑やかな物だった
「凄いですね!なんか楽しい!!!」
「何か気になったら言って。」
彼に連れられながらキョロキョロと辺りを見渡す私はまるで子供みたいだろうがそんな事はどうでも良い
まるで異国の祭りに来た様な雰囲気は私を酷く感激させていた
「イルミさん!あれ食べたいです!」
私が指指したのは白くて丸い蒸しパンの様な食べ物だった
甘い香りがしてぎゅるぎゅるとお腹が音を経てる
彼は私の希望した白い食べ物を二つ購入してくれて湯気が上がる其れを私に手渡した
「いただきます!」
「いただきます。」
一口頬張ればふわふわの食感に中から暖かい練乳の様なものが出て来てミルク風味の生地に絶妙な甘さを感じさせた
「美味しーい!!!」
「……甘い。」
私と同じく一口頬張った彼が瞳をクリクリさせるので
「……食べた事無かったんですか?」
疑問をぶつければ
「うん。パレードなんて来たのも初めてだよ。」
単調に答えてくれた