ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第35章 毒
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目覚めるとベッドの上だった
「……………?」
昨夜の出来事を思い返してガバリと起き上がれば彼は隣で本のページを捲っていた
「おはよう」
単調な声色に無感動な表情
「おはようございます!!!」
私の隣で転がったまま本を読んでいるのは何時もの彼だった
「お身体の調子は……?」
「回復した。もう何とも無いよ。」
視線を文字に走らせながら答えた彼はガウン姿でどうやら入浴を済ませた様だった
パタンと閉じられた本の音
「これから出掛けようか。」
「え、大丈夫ですか……?!休んだ方が「十分休んだから平気だってば」
昨夜あんなに苦しそうだったのだ
休んだ方が良いと思ってしまうが回復力が常人では無い事は以前の怪我の回復スピードで知っている
私の声を遮ってじっと私を見詰める彼
「もう夜だし。」
口にしたのは衝撃的な事実だった
「えっ!!!!」
振り返って窓の外を見遣れば黒にネオンを浮かばせる街
「俺も起きたのは夕方だけど」
彼が夕方迄寝ていようと、どうぞゆっくり休んでください!と思えるが私は流石に寝過ぎだ……
夕方に起きたのなら起こして欲しかった………なんて思ってしまう
「ほら、いつまでぼーっとしてるの行くから準備して」
パンっと手を叩く彼に急かされて私は急いで身支度を整えた