ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第34章 遊園地と目撃
……………自身が苦手だからと嘘なんて付かずにお化け屋敷のシステムを説明し、釘を刺しておくべきだったと後悔が溢れる
遊園地で働く無害な人間の命を私の嘘で奪ってしまったのだ
どんどん血の気が引いて行く
「……………し、死んだんですか……」
恐る恐る言葉を紡いだ私に
「眠ってるだけだよ。」
溜息交じりに彼は答えた
………………眠っているだけ……………
………………良かった……………
彼の言葉に安堵した途端抜ける力
へたり込みそうに成った私を彼は支えてくれた
「…………あのさ、溶けた動物なんて嘘だよね。何ここ。」
「……………お化け屋敷です………ごめんなさい………」
「お化け屋敷………。」
随分暗闇に慣れた目で彼を見上げれば呆れた表情を向けられた
「入りたく無くて嘘付いたの?」
「…………はい………ごめんなさい」
「………そう。………下らないね、さっさと出よう。」
彼は言うなりゾンビから針を抜き取り力の入らない私を支えながら実にスピーディーに歩み始めた
途中出くわした吸血鬼やミイラ男に私は悲鳴を上げ続けたが彼が針を投げる事は無かった